フェミニズム読史会

フェミニズム読史会の「過去の読書会」ページです。

2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

第15回 "籠の鳥"たちの抗議と闘争 - 山家悠平『遊廓のストライキ』読書会

遊廓のストライキ: 女性たちの二十世紀・序説 作者:山家 悠平 共和国 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します ※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の理由 吉原遊廓のフィ…

第14回 男女とは何か、区別を生む政治的な力とは何か 歴史学への考察を促す古典 - ジョ−ン・W.スコット『ジェンダーと歴史学』読書会

30周年版 ジェンダーと歴史学 (930;930) (平凡社ライブラリー 930) 作者:ジョーン.W.スコット 平凡社 Amazon ジェンダー史を学ぶ上での古典ともいうべき本書は、1990年代に出版されて以来、多くのジェンダー史家たちに影響を与えてきました。ジェンダーとは…

第13回 信念に忠実であったもう一人の「人権宣言」起草者 - 『オランプ・ドゥ・グージュ―フランス革命と女性の権利宣言』読書会

オランプ・ドゥ・グ-ジュ: フランス革命と女性の権利宣言 作者:オリヴィエ ブラン 信山社 Amazon 前回の読書会で取り上げたメアリ・ウルストンクラフトに続き、同時代にフランスで活躍したオランプ・ドゥ・グージュの生涯に関する本書を選びました。 本書は…

第12回 フェミニズムの古典的名著に挑戦する - 『フェミニズム的転回叢書 女性の権利を擁護する―メアリ・ウルストンクラフトの挑戦』読書会

女性の権利を擁護する: メアリ・ウルストンクラフトの挑戦 (フェミニズム的転回叢書) 作者:梅垣 千尋 白澤社 Amazon ウルストンクラフト『女性の権利を擁護する』(1792年)を解説した本を取り上げました。出版されたのが200年以上も昔の古典ではありますが…

第11回 文学だからこそ残せる歴史がある - スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 『戦争は女の顔をしていない』読書会

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫) 作者:スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ 岩波書店 Amazon 本作は、第二次世界大戦に従軍したソ連女性たちの証言を集めた作品です。作中に「フェミニズム」や「ジェンダー」等の用語は登場しませんが、フェミニズム…

第10回 女性のジェンダー規範の確立と揺らぎ - 『南北戦争のなかの女と男――愛国心と記憶のジェンダー史』読書会

南北戦争のなかの女と男――愛国心と記憶のジェンダー史 作者:ニナ・シルバー 岩波書店 Amazon 現代米国の人種問題を考える上で、南北戦争の評価は今日まで影響していると語られることが多い。北・南部の男女は南北戦争に何を見出し、誰のために戦ったか。著者…

第9回 英仏米、日本のフェミニズム運動を概観することは出来たが… - 大嶽 秀夫『フェミニストたちの政治史: 参政権,リブ,平等法』読書会

フェミニストたちの政治史: 参政権,リブ,平等法 作者:大嶽 秀夫 東京大学出版会 Amazon 本著は筆者が男性政治学者であり、『最初にジェンダーに関心を示したと自負(p.265)』している方が記したものである。第6章では『男女雇用機会均等法ならびに男女共同…

第8回 恋愛革命と女性解放に心を燃やした革命家 - 杉山秀子『コロンタイ 革命を駆けぬける』読書会

コロンタイ 革命を駆けぬける 作者:杉山秀子 論創社 Amazon ロシア・ソ連のフェミニストにしてヨーロッパ初の女性閣僚アレクサンドラ・コロンタイは、「真の女性解放には体制変換が必要である」という社会主義フェミニズムのもと、ソ連における母子保護や夫…

第7回 女が集まって読書会を作るということ - 『「青鞜」の冒険 - 女が集まって雑誌をつくるということ』読書会

『青鞜』の冒険: 女が集まって雑誌をつくるということ 作者:森 まゆみ 平凡社 Amazon 明治44年9月1日。女性による女性のための雑誌を「青踏」と命名し発刊した人達がいた。当時は女性が個として公に発言すること自体が珍しく思われる時代。世間体を気にせず…

第6回 ”役に立たない”学問を学んできた女子たちへ - 『夢みる教養 - 文系女性のための知的生き方史』読書会

夢みる教養:文系女性のための知的生き方史 (河出ブックス) 作者:小平 麻衣子 河出書房新社 Amazon 明治時代以降の日本人女性をめぐる「教養」の歴史を著した本です。女性にとっての「教養」とは常に抑圧とセットのものでした。女性は音楽や絵画、文学などが…