フェミニズム読史会

フェミニズム読史会の「過去の読書会」ページです。

2024-01-01から1年間の記事一覧

第30回 フェミニズム批評を通して源氏物語を読むと…? - 『フェミニスト紫式部の生活と意見—現代用語で読み解く「源氏物語」』読書会

フェミニスト紫式部の生活と意見 ~現代用語で読み解く「源氏物語」~ (集英社学芸単行本) 作者:奥山景布子,中島花野 集英社 Amazon 第15回~第29回は読書会の議事録を公開用に再編集して掲載していましたが、第30回~は、読書会で出た意見・感想を短くまと…

第29回 バックラッシュの裏側史 しっかりソースつき! - 『宗教右派とフェミニズム』読書会

宗教右派とフェミニズム 作者:山口智美,斉藤正美,津田大介 青弓社 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の理由 感想 オリジナルサ…

第28回 「不可視化」されてきた人々を語る大切さ~オーラルヒストリーのもつ力 - 『占領下の女性たち――日本と満州の性暴力・性売買・「親密な交際」』読書会

占領下の女性たち 日本と満洲の性暴力・性売買・「親密な交際」 作者:平井 和子 岩波書店 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の…

第27回 トイレやお風呂だけじゃない、人生の話としての『トランスジェンダー問題』に出会うための第1歩 - 『トランスジェンダー入門』読書会

トランスジェンダー入門 (集英社新書) 作者:周司あきら,高井ゆと里 集英社 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の理由 感想 オリ…

第26回 女子学生よ、大志を抱け - 『自分ひとりの部屋』読書会

自分ひとりの部屋 (平凡社ライブラリー) 作者:ヴァージニア ウルフ 平凡社 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の理由 感想 オリ…

第25回 「女性に理系は向かない!」はいかにして生まれたか? - 『科学史から消された女性たち 改訂版』読書会

科学史から消された女性たち 改訂新版 作者:ロンダ シービンガー 工作舎 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の理由 感想 読書会…

第24回 アカデミアのキャリア問題とジェンダー - 『アカデミズムとジェンダー: 歴史学の現状と課題』読書会

アカデミズムとジェンダー: 歴史学の現状と課題 作者:歴史学研究会編 有信 真美菜・大江 洋代・清水 領・芹口 真結子・高野 友理香・寺本 敬子・三枝 暁子 著 績文堂出版 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップペー…

第23回 社会を映すセイの鏡 - 田中ひかる『生理用品の社会史』読書会

生理用品の社会史 (角川ソフィア文庫) 作者:田中 ひかる KADOKAWA Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の理由 感想 【本の内容に…

第22回 写真は撮影者・被写体・鑑賞者が共に意味づけをするアート - 笠原美智子『ジェンダー写真論 増補版』読書会

ジェンダー写真論 増補版 作者:笠原 美智子 里山社 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の理由 感想 読書会中に紹介された本やサ…

第21回 フェミニストが保守派の草の根運動から学べること - 『社会運動の戸惑い - フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』読書会

社会運動の戸惑い: フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動 作者:山口 智美,斉藤 正美,荻上 チキ 勁草書房 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリッ…

第20回 縁を切れば結婚はできる。でも家族から祝福されたい - 齋藤直子『結婚差別の社会学』読書会

結婚差別の社会学 作者:齋藤 直子 勁草書房 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の理由 感想 読書会中に紹介された本やサイト オ…

第19回 自己の特権と社会の権力関係に目を向け、変革に繋げる分析方法 - 『インターセクショナリティ』読書会

インターセクショナリティ 作者:パトリシア・ヒル・コリンズ,スルマ・ビルゲ 人文書院 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の理由…

第18回 ”ハッシュタグだけじゃ始まらなかった”BLM - 『ブラック・ライブズ・マター運動誕生の歴史』読書会

ブラック・ライヴズ・マター運動 誕生の歴史 作者:バーバラ・ランスビー 彩流社 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の理由 感想 …

第17回 未完の廃娼運動 - 『近代日本公娼制の政治過程―「新しい男」をめぐる攻防・佐々城豊寿・岸田俊子・山川菊栄』読書会

近代日本公娼制の政治過程: 「新しい男」をめぐる攻防・佐々城豊寿・岸田俊子・山川菊栄 作者:関口すみ子 白澤社 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックし…

第16回 性的搾取に基づく商売のあらゆる害とその廃止への提言 - 『マルクス主義、フェミニズム、セックスワーク論:搾取と暴力に抗うために』読書会

マルクス主義、フェミニズム、セックスワーク論:搾取と暴力に抗うために 作者:森田 成也 慶應義塾大学出版会 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します ※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックして…

第15回 "籠の鳥"たちの抗議と闘争 - 山家悠平『遊廓のストライキ』読書会

遊廓のストライキ: 女性たちの二十世紀・序説 作者:山家 悠平 共和国 Amazon ※第15回~は読書会の議事録を公開用に再編集したものを掲載します ※トップページからご覧になっている場合、「続きを読む」をクリックしてご覧ください 選書の理由 吉原遊廓のフィ…

第14回 男女とは何か、区別を生む政治的な力とは何か 歴史学への考察を促す古典 - ジョ−ン・W.スコット『ジェンダーと歴史学』読書会

30周年版 ジェンダーと歴史学 (930;930) (平凡社ライブラリー 930) 作者:ジョーン.W.スコット 平凡社 Amazon ジェンダー史を学ぶ上での古典ともいうべき本書は、1990年代に出版されて以来、多くのジェンダー史家たちに影響を与えてきました。ジェンダーとは…

第13回 信念に忠実であったもう一人の「人権宣言」起草者 - 『オランプ・ドゥ・グージュ―フランス革命と女性の権利宣言』読書会

オランプ・ドゥ・グ-ジュ: フランス革命と女性の権利宣言 作者:オリヴィエ ブラン 信山社 Amazon 前回の読書会で取り上げたメアリ・ウルストンクラフトに続き、同時代にフランスで活躍したオランプ・ドゥ・グージュの生涯に関する本書を選びました。 本書は…

第12回 フェミニズムの古典的名著に挑戦する - 『フェミニズム的転回叢書 女性の権利を擁護する―メアリ・ウルストンクラフトの挑戦』読書会

女性の権利を擁護する: メアリ・ウルストンクラフトの挑戦 (フェミニズム的転回叢書) 作者:梅垣 千尋 白澤社 Amazon ウルストンクラフト『女性の権利を擁護する』(1792年)を解説した本を取り上げました。出版されたのが200年以上も昔の古典ではありますが…

第11回 文学だからこそ残せる歴史がある - スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 『戦争は女の顔をしていない』読書会

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫) 作者:スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ 岩波書店 Amazon 本作は、第二次世界大戦に従軍したソ連女性たちの証言を集めた作品です。作中に「フェミニズム」や「ジェンダー」等の用語は登場しませんが、フェミニズム…

第10回 女性のジェンダー規範の確立と揺らぎ - 『南北戦争のなかの女と男――愛国心と記憶のジェンダー史』読書会

南北戦争のなかの女と男――愛国心と記憶のジェンダー史 作者:ニナ・シルバー 岩波書店 Amazon 現代米国の人種問題を考える上で、南北戦争の評価は今日まで影響していると語られることが多い。北・南部の男女は南北戦争に何を見出し、誰のために戦ったか。著者…

第9回 英仏米、日本のフェミニズム運動を概観することは出来たが… - 大嶽 秀夫『フェミニストたちの政治史: 参政権,リブ,平等法』読書会

フェミニストたちの政治史: 参政権,リブ,平等法 作者:大嶽 秀夫 東京大学出版会 Amazon 本著は筆者が男性政治学者であり、『最初にジェンダーに関心を示したと自負(p.265)』している方が記したものである。第6章では『男女雇用機会均等法ならびに男女共同…

第8回 恋愛革命と女性解放に心を燃やした革命家 - 杉山秀子『コロンタイ 革命を駆けぬける』読書会

コロンタイ 革命を駆けぬける 作者:杉山秀子 論創社 Amazon ロシア・ソ連のフェミニストにしてヨーロッパ初の女性閣僚アレクサンドラ・コロンタイは、「真の女性解放には体制変換が必要である」という社会主義フェミニズムのもと、ソ連における母子保護や夫…

第7回 女が集まって読書会を作るということ - 『「青鞜」の冒険 - 女が集まって雑誌をつくるということ』読書会

『青鞜』の冒険: 女が集まって雑誌をつくるということ 作者:森 まゆみ 平凡社 Amazon 明治44年9月1日。女性による女性のための雑誌を「青踏」と命名し発刊した人達がいた。当時は女性が個として公に発言すること自体が珍しく思われる時代。世間体を気にせず…

第6回 ”役に立たない”学問を学んできた女子たちへ - 『夢みる教養 - 文系女性のための知的生き方史』読書会

夢みる教養:文系女性のための知的生き方史 (河出ブックス) 作者:小平 麻衣子 河出書房新社 Amazon 明治時代以降の日本人女性をめぐる「教養」の歴史を著した本です。女性にとっての「教養」とは常に抑圧とセットのものでした。女性は音楽や絵画、文学などが…

第5回 黒人女性と白人女性が力を合わせても フェミニズム運動が進まない理由はなぜか? - ベル・フックス『フェミニズム理論』読書会

ベル・フックスの「フェミニズム理論」 作者:ベル・フックス あけび書房 Amazon この本の中で一番印象に残ったのは同じ女性として社会に対して声をあげても、黒人女性と白人女性という「人種」によって思想・環境の分断が出来てしまうことだ。「黒人女性であ…

第4回 ジェンダー/人種/職業等、多様な観点から スチュワーデスの歴史を読み解く本 - 『ジェット・セックス - スチュワーデスの歴史とアメリカ的「女らしさ」の形成』読書会

ジェット・セックス――スチュワーデスの歴史とアメリカ的「女性らしさ」の形成 作者:ヴィクトリア・ヴァントック 明石書店 Amazon 戦後、「華やかな職業」とみなされていたスチュワーデスの職業について、単にその歴史を追うだけでなく、豊富な一次資料と筆者…

第3回 自分ごととしての参政権運動 - 『サフラジェット - 英国女性参政権運動の肖像とシルビア・パンクハースト』読書会

サフラジェット 英国女性参政権運動の肖像とシルビア・パンクハースト 作者:中村 久司 大月書店 Amazon 映画「未来を花束にして」はご存じだろうか。原題は「Suffragettes(サフラジェット)」。参政権(Suffrage)を求める女性たちの活動を描いた作品である。…

第2回 内在化した差別意識の変遷 - 竹村和子『フェミニズム』読書会

フェミニズム (思考のフロンティア) 作者:竹村 和子 岩波書店 Amazon 前半はフェミニズムの歴史を辿るもので読みやすかったです。第一波フェミニズム期では女性の参政権獲得が焦点となり、階級差別やドメスティックイデオロギーは内在化されたままでした。第…

第1回 全てのオタク女性に捧げる本 - 『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち - 近世の観劇と読書』読書会

シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち:近世の観劇と読書 作者:北村 紗衣 白水社 Amazon シェイクスピア研究者でありフェミニストでもある北村紗衣さんの本を初回に選びました。フェミニズムの視点から研究されていた本で、なおかつ読書会をやろうとしている自…